謎
高田崇史 講談社文庫
QEDとは、「quod erat demonstrandum」つまり、証明終わり、という意味で数学の証明の最後に書かれたりする言葉です。また、ミステリ作家のエラリー・クイーンの短編に「Queen's Experiments in Detection(クイーン犯罪実験室)」というのがあります。余計な豆知識でした。
でも、このシリーズの内容は豆知識どころではないです。とってつけたような知識を披露するのではなく、そこから謎を抽出し、独自の解を出しているのだからすごい。私はすぐに触発されて百人一首を自分で並べました(笑)。読んでない人は何のことかさっぱりですね。でも、読んだらきっと並べたくなります(力説)。
歴史上の謎と現代の事件がリンクしているのも面白い趣向だし、上手く使ってるなぁ、と思うのですが、殺人事件と絡ませなくても、というのは私の個人的な趣味の問題です。でも、もっと殺人事件以外のミステリが増えてほしいなぁ。
このシリーズを読むと、もれなくカクテルが飲みたくなります(笑)。
北村薫 新潮文庫
入れるカテゴリが違う、と思われるやもしれませんが、あえて「謎」カテゴリに入れたいと思います。北村薫さんの本はどれも大好きなのですが、これはもう、名作です。鳥肌が立ちます。題名からわかると思うのですが、三作とも時と人をテーマに扱っています。続き物ではないです。念のため。スキップは17歳の女の子がある朝目覚めると、42歳の国語教師になっていた、という話。ターンは「今日」が終わっても、定刻になるとまた同じ「今日」に戻ってしまう話。リセットは、説明してしまうと、感動が半減してしまうので、できません。続き物ではない、と書きましたが、スキップ、ターン、ときてリセットを読むと、リセットを読んだあとの感動がまたひとしおだと思います。
高里椎奈 講談社文庫
リベザル、大好きです(告白)。読むと、きっとそう伝えたくなります。カテゴリに分けるならミステリですけど、主題はリベザルの成長物語です。ネタばれをしてしまうと、リベザルは妖怪です。子供の姿をとっていますが、何歳だったかな。けっこう長生きです。けれども、人間社会での生活はまだ浅く、その点では子供といっていいでしょう。この妖怪+子供という設定が上手いなぁと唸ってしまうのです。人間を客観的に見る目と、成長という要素。この二つが本当に見事に織り込まれています。高里さんはとても優しくて繊細な人なんだなぁ。いえ、全然知り合いとかではないのですが。でも、そう思います。